株式会社ボードルア

事業内容

ITインフラストラクチャ事業、ITインフラストラクチャにおけるクラウド導入支援、5G/IoT対応ネットワークインテグレーション及びセキュリティ構築運用等

代表取締役社長

冨永 重寛

2006年9月㈱ニキティス 代表取締役就任。2007年4月 当社入社。2007年11月 代表取締役社長就任(現)。

SNS

2024.11.21

「ソリッドベンチャーとしてのボードルア (Baudroie)」著者の視点

ボードルアは2007年4月の創業以来、企業のITインフラ環境を整備・運用する事業を主力としてきました。ITインフラ構築(ネットワーク/サーバー/セキュリティなど)の現場は、技術進化が著しく、常に新しいノウハウや人材が求められます。こうした高い専門性を伴う領域で、ボードルアは顧客の多岐にわたるニーズに応え、サービスを拡充することで成長してきました。

ソリッドベンチャーとしての注目ポイントは、「ITインフラ」という比較的アセットライトなビジネスモデルを活用し、段階的に関連サービスを増やすことで拡大している点、そして大規模なエクイティファイナンスの形跡があまり見られない点です。

自社の専門性をコアに、利益を再投資しながら堅実に成長してきたと推察されます。

  • 会社名:株式会社ボードルア (Baudroie)
  • URLhttps://www.baudroie.jp/
  • 代表者名:冨永 重寛(代表取締役社長)
  • 設立:2007年4月
  • 本社所在地:東京都港区

創業当初の事業モデル

ボードルアの創業当初はITインフラストラクチャ事業を中心とし、具体的には以下のようなサービスを手がけてきました。

  1. ネットワーク設計・構築:企業のLAN/WANなどネットワークをゼロから設計し、運用開始までを支援。
  2. サーバー構築・運用:オンプレミス環境や仮想化技術を活用し、企業の基幹システムやWebサーバーの設置・保守を担う。
  3. セキュリティ対策:ファイアウォールやIDS/IPSなどの導入から運用設計まで。情報漏えいなどが社会問題化する中で、専門的な知識が求められる領域。

これらは当時から需要が拡大しており、特にセキュリティ分野は社会的課題とも合致していました。IT環境を安定運用するというのは、企業にとって必須のインフラ投資です。そこにボードルアは専門性と信頼を武器に参入し、創業から実績を重ねたのです。

また、代表取締役社長である冨永 重寛氏は、創業以前にも株式会社ニキティスで代表取締役を務めるなど、経営の経験を持っていました。そ

うした経営ノウハウやIT分野の理解が、創業初期の事業展開の大きな後押しになったと推察できます。加えて、創業期から外部資金を大きく使ったという情報は確認されていないため、初期投資が比較的抑えられる形で事業を立ち上げたのではないかと思われます。

成長戦略と資金調達の有無

1. 堅実な拡大路線

ITインフラ系の事業は、人材の専門性がカギです。設備投資よりも高度な人材の採用・育成にコストがかかるケースが多い反面、プロジェクト受注が拡大すれば自社キャッシュフローを積み上げやすい特徴があります。

ボードルアは創業当初よりそうした「人材力」を軸にサービス品質を高め、大口顧客との長期契約や追加プロジェクトの獲得で収益を安定させたのではないかと考えられます。

ソリッドベンチャーとしては、外部投資家からの大規模な出資を得て短期的に急拡大を狙うわけではなく、プロジェクトベースの利益を再投資し、徐々に事業規模を拡大するアプローチが多いです。

ボードルアでも、公開情報からは大きなVCラウンドや上場準備に関するニュースは見当たらず、自社で稼いだ資金を投入してサービスラインナップを充実させてきたと推察されます。

2. 技術進化への対応

ITインフラ事業では、クラウド化や仮想化技術の普及、5G/IoT時代のネットワーク設計など、非常に速い技術進化があります。ボードルアは単なる運用代行にとどまらず、クラウド導入支援5G/IoT対応ネットワークインテグレーションセキュリティ構築運用など最新技術領域を積極的に取り込むことで市場での競争力を維持しています。

これはまさにソリッドベンチャーに共通する手法:堅調な主力事業に加え、変化しやすい部分にも自社資金でトライし、最新技術を吸収することでさらなる付加価値を提供する、という拡張路線です。

事業の多角化や新規事業の開発

1. ITインフラストラクチャの中核化

大きく見るとボードルアは、ITインフラにまつわる技術をコアコンピタンスとしています。ここから派生したサービスとして、たとえば以下のような展開が考えられます。

  • クラウド導入支援:オンプレ環境からAWSやAzure等への移行をコンサルから実装・運用支援まで包括的に担当。
  • 5G/IoTソリューション:製造業や小売業向けのIoTネットワーク構築、センサーの導入・運用など、フィールドでの接続課題を解決。
  • セキュリティ構築運用:ゼロトラストネットワークの設計やセキュリティ運用監視、CSIRT構築など、セキュアなIT基盤を提供する。

2. 周辺サービスの多角化

ITインフラ導入が終わった後も、顧客は運用監視やサポート、トラブルシューティング、セキュリティアップデートなど様々な課題を抱えます。ボードルアがそこを総合的に支援する構造にすることで、1回限りの案件受注から継続的な収益を生み出すモデルへ転換できるのです。

さらに、最新技術を組み合わせたコンサルティングなども追加すれば、より高付加価値のサービス提供が可能です。

ソリッドベンチャー的に見ると、最初のITインフラ構築で信頼関係を築き、その顧客からのリピーター契約や長期保守契約などでキャッシュフローを確保し、新たなプロジェクトに投資できるという循環が期待できます。

市場と地域の特徴

ITインフラ市場は、DX推進やリモートワーク普及、セキュリティ強化などの大きな追い風があり、安定的な需要があります。

一方で、クラウドネイティブな技術の普及により、昔ながらのサーバー構築やオンプレミスネットワーク需要だけでは成長が頭打ちになる懸念もあり、クラウドや5Gの専門知識をいかに早く吸収するかが決め手となります。

ボードルアは 日本全国の企業 を対象にサービスを提供。首都圏中心ではありますが、地域を限定しないことでスケールの伸ばしやすさが期待されます。

とくにクライアント企業が全国に拠点を持つ場合、一社内での標準ネットワークやセキュリティモデルを構築・横展開する案件が増えるため、全国対応できるベンダーはニーズが高いでしょう。

ソリッドベンチャーとしての成功要因

  1. 明確なコア領域:ITインフラ
    創業期からネットワーク、サーバー、セキュリティといった基礎的かつ安定ニーズのある領域に特化。急な技術変化にも逐次対応しつつ、堅実な案件受注と拡大を実践している。
  2. 専門人材に投資
    インフラ系事業は、優秀な技術者やコンサルタントが成否を左右する。ボードルアは恐らく設立当初から人材育成に力を入れ、プロジェクト経験を積ませることで専門性を高め、リピート受注に結びつけているとみられる。
  3. 段階的な多角化
    クラウド導入支援や5G/IoTネットワーク構築、セキュリティ運用など、クライアントのITインフラニーズ全般をカバーする形でサービスを拡大。ソリッドベンチャーが陥りがちな「一点特化」からの利益減衰リスクを回避している。
  4. 安定キャッシュフローを再投資
    外部資金調達が大きくない中で事業を拡大するには、稼いだ利益を次の技術習得や人材採用、サービスラインナップ拡充に回すことが不可欠。ボードルアはその循環を上手く機能させ、徐々に規模を拡大しているように見えます。

ボードルアのソリッドベンチャーとしての特徴

  1. ITインフラ領域への特化
    企業にとって不可欠な基礎技術の提供を通じ、収益を積み上げるモデル。変化が激しいが需要も大きい市場で、専門性を深めている。
  2. 段階的サービス拡充による多角化
    初期はネットワーク/サーバー構築・運用にフォーカスし、徐々にクラウド化や5G/IoT対応、セキュリティなどへと広げていく。顧客のITニーズを一括で支援する体制を作り上げつつある。
  3. 外部投資に依存しない成長
    創業時から大規模ファイナンスの情報が見られず、主に自社資金を使って人材・技術への投資をしてきたと考えられる。ソリッドベンチャーらしく、安定収益を基に再投資を回す構造を築いている。
  4. 市場の変化に対応する柔軟性
    技術革新が速いITインフラ市場において、最新のクラウドやセキュリティ手法、5G関連技術などを取り込む努力を続けている。これが顧客からの信頼に繋がり、長期の運用案件や追加要望の受注に結びついている。
  5. 将来的なストックビジネス化の可能性
    運用監視やマネージドサービス、独自ツールのSaaS化など、ストック型ビジネスを展開できる余地が大きい。これによってプロジェクトベースの収益を補完し、経営安定化と更なる拡大が見込める。

総合すると、ボードルアは「大きく資本を集めて急拡大する」というスタートアップ的なアプローチではなく、「ITインフラという基礎事業で地道に売上と利益を積み上げながら、新技術や関連サービスへ順次展開する」というソリッドベンチャーの王道パターンを踏んでいると評価できます。

このような体制は、外部環境の変化に対して柔軟に動きやすく、経営権を保ちながら成長を図れる利点があります。一方、技術競争の激しい市場で、自社の研究開発や人材投資をどこまで拡充できるか、そこが大きな課題となるでしょう。

さらに、ITインフラ領域全体がクラウド化で再編される中、クラウドネイティブ技術や自社SaaSなど新しいビジネスモデルにスムーズに移行していけるかが、これからの勝負どころです。

いずれにせよ、ボードルアのようにITインフラ専門の領域で着実な実績を築きながら、一歩一歩サービスを拡大していく企業モデルは、ソリッドベンチャーの典型例と言えるでしょう。

短期的なエクイティファイナンスでの大きなブーストを狙わずとも、既存事業の利益を持続的に再投資し、新興技術への対応を怠らないことで、着実かつ大きな成長を実現している姿は、同様の戦略を志向する企業や起業家にとって大いに参考になるはずです。