株式会社LDHD

事業内容

スマートクリニック事業、医療DXシステム開発事業、検査代行事業、人材事業、M&A事業、福祉施設運営

代表取締役

近都 真侑

産婦人科医・産業医。2011年学生起業家選手権グランプリ受賞などや日本初の学生の医療ビジネスコンテストを主催。​初期研修後、千葉西総合病院、昭和大学病院で産婦人科医として勤務。ヤフー株式会社の専属産業医として健康経営銘柄2019に尽力。その他8社の顧問を勤めた​。グッドデザイン賞受賞した日本初タブレット型カルテを株式会社HealtheeOneのPMとして作成。その後起業し、現職は株式会社MoonVentures CSO、株式会社iVoice取締役、株式会社ハコスコ顧問など。

SNS

2024.11.23

「ソリッドベンチャーとしての株式会社LDHD」著者の視点

株式会社LDHD(以下、LDHDと表記)は、医療やヘルスケア領域において幅広い事業を多角的に展開する中で、自己資金をベースに堅実に拡大を続けており、「ソリッドベンチャー」の特徴を色濃く持つ企業といえます。

本記事では、同社の創業期の背景や成長戦略、多角化の手法、そして失敗や課題への向き合い方を中心に解説しながら、その成功要因を紐解いていきます。

ソリッドベンチャーとは何か

ソリッドベンチャーの定義

「ソリッドベンチャー」は、スタートアップ企業の成長モデルの中でも、大規模な外部投資(エクイティファイナンス)に頼らずに自己資金で堅実に拡大していくことが特徴とされる企業を指します。

  • 自己資金経営:ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などからの大型出資を受けず、黒字化した事業で得たキャッシュフローを元手に徐々に拡大。
  • 長期視点の経営:株主構成に強い影響力を持つ外部資本が少ないため、長期的な視点で経営戦略を描きやすい。
  • 独立性の確保:創業者の経営理念や企業文化を堅持しやすく、企業の軸がブレにくい。

LDHDに見るソリッドベンチャーの特徴

LDHDは、2018年の創業以来、外部資本を受けずに自己資金で事業を拡大してきました。ヘルスケアや医療の領域は、法規制や社会的影響力の大きさから、慎重な経営姿勢と現場ニーズの深い理解が求められます。

そのような環境下で、同社はオンライン診療プラットフォーム「ルナドクター」からスタートし、医療DXや検査代行、人材事業、福祉施設運営などへと多角的に広がりを見せています。

この一歩ずつ着実に事業を広げる手法は、まさにソリッドベンチャーの王道を行くものでしょう。

創業期の背景:女性の健康課題に挑むスマートクリニック

設立からの歩み

LDHDは2018年の設立当初、スマートクリニック事業を中心に事業を展開していました。

具体的には、オンライン診療プラットフォーム「ルナドクター」を提供し、女性の健康課題を中心にサポートするサービスを構築。

急速に拡大するオンライン診療市場において、一石を投じる存在となります。

  • オンライン診療プラットフォーム「ルナドクター」
    • 産婦人科領域に特化
    • 女性患者が抱える課題をオンラインで解決
    • 忙しい人でも通院・受診しやすい環境づくり

創業者 近都真侑氏のプロフィール

代表取締役の近都真侑氏は産婦人科医・産業医としての豊富な経験を持ち、医療現場とビジネスの両面を理解する稀有な存在です。

  • 産婦人科医・産業医としてのキャリア:大学卒業後、初期研修を経て産婦人科医として病院勤務を経験。さらにヤフー株式会社など複数企業の専属産業医を務め、健康経営銘柄の獲得に貢献。
  • 学生時代の起業経験:2011年には学生起業家選手権でグランプリを獲得するなど、医療と起業マインドの両立に早くからコミット。
  • IT×医療への関心:日本初のタブレット型カルテをPMとして開発し、グッドデザイン賞を受賞。医療の現場にテクノロジーを導入する先駆者的な活動を行う。

近都氏のこうした経験と広範なネットワークが、LDHDのコア事業を支える原動力となっています。

成長戦略:自己資金を活用した多角化

創業当初からの収益モデル

同社はオンライン診療やスマートクリニックの運営で収益を上げ、そこから得た資金を再投資することで事業を拡大。

医療業界は保険点数や法規制による収益構造が独特なため、外部投資家に対する説明が難しいケースも多々あります。そのため、自己資本による安定経営が有効に機能したと推察されます。

外部資金調達を行わない理由

LDHDは一貫して自己資金での事業拡大を選択しています。その背景には以下のような利点が挙げられます。

  1. 経営方針の独立性:医療分野では利害調整や社会的責任が重大なため、過度な投資家意向に左右されない経営が求められる。
  2. 柔軟なリスク選択:外部資金が多いと、短期的な利益や急成長を求められがちだが、自己資金経営なら長期的視野で育成可能。
  3. 企業文化の維持:医療従事者の観点を大切にする、独自の企業文化を保ちやすい。

これらの要素は、医療分野での事業を営む際にとりわけ重要です。患者や医療機関の信頼を得るには、過度な利益追求ではなく、社会的責任や倫理観を第一に考える経営姿勢が不可欠だからです。

事業の多角化:医療DXから福祉施設運営まで

医療DXシステム開発事業

オンライン診療システムのノウハウを活かし、電子カルテや病院の基幹システムなど、さらなる医療DXに貢献するソリューション開発を手がけています。

  • 医療機関向けシステム:現場のワークフローを改善し、紙ベースの業務をデジタル化することでコスト削減と効率化を実現。
  • IT技術と医療専門知識の融合:近都氏含め産婦人科医・産業医の知見に加え、エンジニアリングチームがシステムを開発することで、現場のニーズに的確に応えるプロダクトをリリース可能。

検査代行事業

医療機関や企業の健康管理業務を効率化するために、LDHDは検査代行サービスを提供しています。

  • 健康診断やPCR検査の外部委託:大量の検体処理・結果報告をスムーズに進める仕組みを構築し、人手不足や煩雑な手続きを軽減。
  • データ連携と分析:検査結果をデジタルで集約し、企業や医療機関が簡単に状況を把握・分析できるよう支援。

人材事業とM&A事業

慢性的な人材不足に悩む医療現場に対して、人材紹介や派遣を行う事業を運営しています。さらに、医療ビジネスを手掛ける企業の買収や提携を行い、M&Aを通じて新規事業を獲得する動きも見られます。

  • 人材事業:医師や看護師、技術者などを必要とする医療機関に適切な人材を紹介することで、現場の人手不足を解決。
  • M&A事業:保険調剤薬局やクリニックなど、医療関連ビジネスを展開する企業との連携・買収により、グループ全体のサービス領域を拡張。

福祉施設運営

超高齢社会を背景に、高齢者向け施設の需要が高まる中、LDHDは福祉施設の運営にも取り組んでいます。医療から福祉へと領域を広げることで、トータルに地域医療・地域福祉を支える体制を構築しています。

  • 医療と福祉のシームレスな連携:オンライン診療や医療DXの強みを福祉現場へも活かし、入居者の健康管理をスムーズに行う。
  • 地域包括ケアへの貢献:地域に根差したサービスを展開し、高齢者やその家族の負担軽減を目指す。

多角化成功のポイント

医療従事者視点のイノベーション

LDHDの代表である近都氏が産婦人科医・産業医としてのキャリアを持つことが、事業の差別化に大きく寄与しています。

医療業界が抱える課題の本質を理解しているからこそ、現場にフィットしたITソリューションやサービス展開が可能です。

  • 法規制や臨床現場の課題を熟知
  • 医師ネットワークを生かした協業
  • 患者・医療者双方にメリットをもたらす設計

テクノロジー活用による効率化

オンライン診療、電子カルテ、検査代行など、IT技術を駆使したDXがLDHDの強みです。特に医療業界では規制が多く、レガシーシステムが根強く残っていますが、そこに風穴を開けるサービスを自社開発することで革新を進めています。

  • クラウドやモバイル技術で場所を選ばずに診療・管理が可能
  • データ分析により医療の質向上や業務効率化を後押し
  • ユーザーフィードバックの反映でより使いやすいサービスへ

幅広い事業展開によるシナジー効果

オンライン診療を起点に、医療DXシステム、人材事業、M&A、福祉施設運営などへ広がる事業の相互連携が、LDHDの多角化を支えています。

  • 検査代行 + スマートクリニック:オンライン診療による診断・治療と検査の結果をつなげ、患者の一元管理を実現。
  • 人材事業 + 福祉施設運営:クリニックや福祉施設に必要な人材をスピーディに供給できる体制。

LDHDが示すソリッドベンチャーとしての意義

医療・ヘルスケア分野への大きなインパクト

LDHDのサービスは、女性の健康課題へのオンライン診療から始まり、多角的な事業を通じて医療の在り方を変革する可能性を秘めています。

高齢化・少子化が進む日本において、ヘルスケア領域のDXは社会的意義が大きく、同社の取り組みが新しい医療モデルを広く普及させるきっかけとなるでしょう。

ソリッドベンチャーとしての強み

自己資金による経営は、投資家からの短期的なプレッシャーを回避しつつ、長期的な視野で事業を構築できる利点があります。

医療分野はプロダクト開発やサービス改善に時間がかかる一方、一度顧客基盤を築ければロイヤリティが高いビジネスモデルとなるため、ソリッドベンチャー的なアプローチが適しているといえます。

オンライン診療の市場拡大や医療DXの進展に伴い、LDHDの事業領域はさらに拡大する見込みです。福祉施設運営や人材事業、M&Aを通じた関連企業とのシナジーを強化し、医療・福祉のエコシステムを包括的に捉えたサービス提供が可能になるでしょう。

  • 予防医療・健康経営への展開:産業医や検査代行のノウハウを活かし、企業向けの健康支援サービスをさらに強化。
  • 国際的展開:日本で確立したオンライン診療ノウハウを海外に展開することで、アジアの新興国などでの医療水準向上に貢献。

LDHDが築く未来?

株式会社LDHDは、自己資金によるソリッドベンチャーとして、医療やヘルスケア領域で数々のサービスを多角的に展開してきました。

産婦人科医・産業医としての実績を持つ近都真侑氏が率いる同社は、オンライン診療プラットフォーム「ルナドクター」を起点に、医療DXシステムや検査代行、人材事業、福祉施設運営、さらにはM&A事業と、医療分野の課題を多面的に解決するビジネスモデルを構築しています。

特に注目すべきは、「医療×テクノロジー」というトレンドに対する先見性と、実際に医療現場の課題を熟知しているがゆえのサービス設計です。

医療は規制・倫理が厳しく、イノベーションを起こしづらい業界といわれる中、LDHDは 「失敗を恐れず挑戦を続ける姿勢」「医療従事者目線のリアリティ」 を兼ね備えており、次々と新規事業を生み出しています。

また、外部資金を導入しないという選択は、医療従事者や患者を第一に考えた経営方針を貫きやすくし、法規制や社会的課題に丁寧に向き合う時間的・精神的な余裕を生んでいると推察されます。

これは、ヘルスケアの質向上や患者満足度を重視する医療業界において、大きなアドバンテージになっていることでしょう。

今後、日本の医療・福祉市場はますます拡大し、同時に高齢化や労働力不足といった構造的課題も深刻化します。そうした環境下、LDHDのように医療DXやオンライン診療で利便性と効率性を高めつつ、福祉施設運営や人材サポートによって現場を支える企業の役割はますます重要になるはずです。

さらに、国内で培ったサービスモデルを海外に持ち込むことで、世界規模での医療アクセス向上に寄与する余地も大いに考えられます。

総じて、LDHDは 「ソリッドベンチャー」 としての強靭な経営基盤を背景に、医療とテクノロジーを融合した新しい価値を社会に提供していると言えます。

その事業展開は、単なるスタートアップの枠を越え、医療業界の在り方を大きく変革する可能性を秘めており、その動向を追うことは、日本社会の未来像を考えるうえでも非常に有益でしょう。