株式会社C-mind

事業内容

スリホ・ITインフラに関するコンサルティング、自社開発・受託開発・SES、カリクルの運営・カリクルエージェントの提供

代表取締役CEO

虎石 克

1986年生まれ。東洋大学卒業。人材系ベンチャー企業にて3年間勤務した後、2011年株式会社C-mind創業。現在14期目。グループ年商50億円。2015年リーガル賃貸保証株式会社を創業後、2018年に株式会社GAtechnologiesへ株式譲渡。2019年xID株式会社に参画。

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2024.11.25

「ソリッドベンチャーとしての株式会社C-mind」著者の視点

株式会社C-mind(シーマインド)のこれまでの歩みを分析します。ソリッドベンチャーとは、外部投資に依存せず、自己資金や事業収益の再投資によって堅実に事業を拡大していく企業を指すことが多い概念。

C-mindは創業以来、外部からのエクイティファイナンスを受けることなく、ITインフラコンサルティングを軸に多角的なサービスを展開してきました。本記事では、創業期の背景から事業多角化のプロセス、およびソリッドベンチャーとしての特徴を掘り下げながら、同社の強みに迫っていきます。

ソリッドベンチャーとは何か

まず「ソリッドベンチャー」という概念を整理しましょう。

スタートアップ企業の中には、VC(ベンチャーキャピタル)やエンジェル投資家からの投資を受け、短期的な成長を目指すケースも多く存在します。

しかし、ソリッドベンチャーはこれとは異なり、自前の資本(自己資金)と事業収益を活用しながら、長期的な視点で経営を行うのが特徴です。

  • メリット:外部株主の意向に左右されず、経営の独立性を維持できる
  • デメリット:急速な成長資金を得にくく、競合とのシェア争いで不利になる可能性もある

しかしながら、ソリッドベンチャーは安定したキャッシュフローと経営方針の一貫性を実現しやすく、堅実な基盤を築ける点で注目を集めています。C-mindは、まさに自己資金主導で事業拡大を行ってきたという意味で、ソリッドベンチャーの好例と言えるでしょう。

C-mindの歩みと創業者の背景

会社概要

  • 会社名:株式会社C-mind(シーマインド)
  • URLhttps://cmind-co.jp/
  • 代表者名:虎石 克(代表取締役CEO)
  • 創業年:2011年
  • 主な事業:ITインフラコンサルティング、自社サービス開発(定額制プリンターサービス「スリホ」など)、SES事業、転職エージェントサービス「カリクル」 ほか

C-mindはグループとして14期目を迎え、グループ年商50億円を達成するまでに成長してきました。創業当初はITインフラに関するコンサルティング事業が中心でしたが、その後はプリンターや転職エージェントなど、幅広い分野に手を伸ばしています。

創業者の経歴

代表取締役CEOの虎石克氏は、1986年生まれ。東洋大学を卒業後、人材系ベンチャー企業で3年間勤務し、営業や事業開発を経験しました。その後、2011年にC-mindを創業し、ITコンサルティングを軸としたビジネスを開始。

  • 人材業界での経験を通じて、IT分野における人材育成の必要性を実感
  • 2015年にリーガル賃貸保証株式会社を創業し、2018年にGAtechnologiesへ株式譲渡
  • 2019年にはxID株式会社に参画するなど、多面的なキャリアを築いてきた

虎石氏の特徴は、複数の領域で起業や事業譲渡を経験しながら、ITと人材、そしてスタートアップという文脈を行き来している点です。

この柔軟かつアグレッシブな姿勢がC-mindの事業多角化にも大きな影響を与えています。

創業期の事業モデル:ITインフラコンサルティング

C-mindが最初に手がけた事業はITインフラコンサルティング。企業のサーバー構築、ネットワーク設計、クラウド導入など、IT環境整備を支援するサービスです。

  • 大企業は自社内にシステム部門を持つことが多いものの、中小企業ではIT人材や予算が限られているケースが多く、外部コンサルやSIer(システムインテグレーター)への依存度が高い
  • C-mindはこうした企業向けに、コスト削減と業務効率化を両立するソリューションを提供し、信頼を積み重ねた

ソリッドベンチャー的な観点から見ると、ITインフラコンサルティングは比較的早期にキャッシュが回り始めるビジネスモデルと言えます。

大規模な資本投下を必要とせず、案件ごとに売上が立つため、創業当初から自己資金を回収しやすいのがメリットです。この安定した収益基盤が、後の事業多角化を可能にした要因でもあります。

事業拡大と資金調達のスタンス

外部資金に頼らない経営戦略

C-mindは創業以来、「長期的な視点で経営を行う」ことを重視してきました。具体的には、外部のVCや投資家からの資金調達をせず、自己資金で事業を拡大している点が特徴です。

  • VCの出資を受けると、多くの場合は株式の希薄化や投資家との利害調整が発生する
  • 一方で、自己資金による経営は、株主構成をシンプルに保ち、代表の経営方針を柔軟に実行できる

このスタンスは、短期的な利益よりも中長期的な企業価値向上を目指す「ソリッドベンチャー」の文脈に合致しています。

堅実なキャッシュフロー

ITインフラコンサルティングやSES事業(システムエンジニアリングサービス)は、人件費や技術費用以外に大きな設備投資が必要ない場合が多いため、堅実にキャッシュフローを生み出しやすいビジネスモデルです。

  • 案件獲得から納品・保守までの流れが明確であり、営業力・技術力がしっかりしていれば売上も安定しやすい
  • その収益を、次なる新規事業への投資に回すことで、多角化への一歩を踏み出すことが可能

C-mindはまさにこの方法を取り、プリンターサービスや転職エージェントなど新しい収益源を着実に育てています。

事業の多角化

定額制プリンターサービス「スリホ」

C-mindがITインフラの延長線上で開発した独自サービスとして注目を集めるのが、定額制プリンターサービス「スリホ」です。

  • 一般的に、企業がプリンターを導入する際、購入費用、インクやトナー、メンテナンス費用などがバラバラに発生し、コストが不透明になるケースが多い
  • 「スリホ」は、一定の月額料金でプリンター本体、インク、保守サービスを一括提供するモデルを採用し、企業が必要な印刷コストを明瞭に管理できるメリットを提供
  • 販売代理店を活用し、全国に導入事例を拡大することで規模を拡大

このサービスは「ITインフラをコンサルティングする」というコアから派生し、オフィス環境をトータルで最適化する流れの中で誕生したと考えられます。

結果として、オフィスで必要とされるハードウェアとアフターサービスをパッケージ化することで、既存顧客に対して追加価値を提供し、新たな収益源を確立しました。

SES事業

システム開発やITインフラ運用において、エンジニアリソースが不足している企業は数多く存在します。C-mindのSES事業は、クライアント企業に自社エンジニアを派遣し、技術支援を行うビジネスモデルです。

  • 人材業界出身の虎石氏にとって、人材育成やマッチングのノウハウが活かしやすい領域
  • SESは月額でエンジニアの稼働を提供するため、ストック型ビジネスとして売上が安定しやすい

転職エージェントサービス「カリクル」

C-mindはIT/Web業界に特化した転職エージェントサービス「カリクル」も運営しています。人材系ベンチャーでの経験を持つ虎石氏が「ITエンジニアやWeb系人材のキャリア支援」を強く意識しているからです。

  • 企業側には、専門性の高い人材を紹介できるメリット
  • 求職者にとっても、SES事業やITインフラコンサルティング事業で得た最新の業界情報をもとに、最適なキャリアパスを提案可能

こうしたサービス展開が「IT × 人材」というシナジーを生み、さらにC-mindの事業ポートフォリオを強固なものにしています。

多角化の成功要因

C-mindが複数の事業分野で成果を上げ、グループ年商50億円を達成するに至った背景には以下の要因が挙げられます。

  1. ITインフラにおけるコンサルティング力
    創業期から培ってきたITインフラの知見と、顧客企業の課題解決に注力する姿勢が、ソフトウェア・ハードウェア両面でのサービス展開につながっている。
  2. 人材業界での経験
    代表・虎石氏のキャリアが人材業界出身であることから、エンジニア派遣や転職エージェントなど、人材関連の新規事業を立ち上げやすかった。ITと人材を掛け合わせることで、需要の高いサービスを提供できている。
  3. 自己資金経営による経営判断の自由度
    外部投資家の意向に縛られないため、短期的な利益追求に走らず、長期的視野で新規サービスを育成できる。多少時間がかかっても、必要な投資を行いながら持続的に収益を伸ばす戦略を取りやすい。
  4. キャッシュフロー重視のビジネスモデル
    コンサルやSESは比較的早期にキャッシュインが期待できる。大きな研究開発費を要するビジネスモデルではないため、得られた利益をすぐに次の事業へ投資し、拡大を加速できる。
  5. グループ経営によるノウハウの共有とシナジー
    リーガル賃貸保証の創業や株式譲渡、xID株式会社への参画など、代表が複数の会社を創業・運営してきた経験がノウハウの蓄積に繋がり、他事業とのシナジーを生み出している。

C-mindに見るソリッドベンチャーとしての意義

C-mindの例からは、以下の示唆が得られます。

  1. 自己資本経営による持続可能な成長
    外部資金に頼らないため、経営者自身が強いオーナーシップを持ち、事業ポートフォリオを長期的視点で構築できる。
  2. コア事業の安定収益を新規事業に回す戦略
    ITインフラコンサルティングというキャッシュの回転が比較的速いビジネスを足がかりに、定額制プリンターやエージェントサービスなど、拡張性の高い事業を次々に立ち上げる。
  3. 経営者の多彩な経験とネットワーク
    代表者自身が複数の会社を起業・売却したり、他社に参画したりしており、広範な人脈と経営スキルを蓄積している。これが新規事業のスピーディーな立ち上げや適切な退出(譲渡)につながっている。
  4. ITと人材の融合による差別化
    SESや転職エージェント、ITコンサルといった各事業を相互に補完し合うことで、法人顧客の多様な課題にワンストップで対応できる強みがある。

株式会社C-mind(シーマインド)は、2011年の創業以来、ITインフラコンサルティングを基盤に着実な成長を遂げてきました。

創業者の虎石克氏は人材系ベンチャー出身というバックグラウンドを活かし、ITと人材、さらにはプリンターサービスなど、幅広い事業領域へと進出。現在はグループ年商50億円を超え、多角的なサービスを展開するまでに至っています。

同社は外部投資を積極的に受け入れず、自己資金とキャッシュフロー経営を基本とするソリッドベンチャーのスタイルを貫いてきました。

その結果、経営の独立性を保ちつつ、ITサービス市場で蓄積したコアコンピタンスを軸に新規事業を育成している点が大きな特徴です。

他方、ITコンサルやSES、転職エージェントなど競合が多い領域での差別化、エンジニア不足への対応、組織ガバナンスの強化など、成長企業としての課題も少なくありません。

しかし、虎石氏の多彩な起業経験と、人材業界で培ったノウハウが相まって、C-mindは今後も堅調な成長を続ける可能性が高いと言えます。

ITインフラと人材のクロスオーバーを起点に、独自サービス「スリホ」など新たな柱を打ち立てたC-mindの歩みは、外部資金に頼らず事業を成長させるソリッドベンチャーの優良事例として注目に値します。

堅固な基盤を築きながら、時代のニーズに合わせて柔軟にサービスを拡張するそのビジネスモデルは、多くの起業家や中小企業にとって学ぶべきポイントが多いのではないでしょうか。