株式会社Grand Central

事業内容

セールスデベロップメント (営業戦略立案、BPOなど)、セールスDX (SFA/CRM等のDXコンサルティング)、セールスイネーブルメント (営業組織構築、評価制度策定など)

代表取締役CEO

北口 拓実

立命館大学を卒業後、新卒で株式会社キーエンスに入社。法人向けコンサルティングセールスに従事し、史上最年少売上レコードを更新。全社ランキング1位を含め、社内表彰を多数経験。2021年に株式会社Grand Centralを創業し、代表取締役CEOに就任。創業から僅か2年で国内4拠点、250名以上のセールスのエキスパートを集結させ、国内最大級のセールスコンサルティングカンパニーにまでグロースさせる。情報経営イノベーション専門職大学 客員准教授。

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2024.11.22

「ソリッドベンチャーとしてのGrand Central」著者の視点

創業間もない企業が、短期間で大きく事業を拡大していくケースが増えています。

しかし、スタートアップの中には、外部投資家から大量の資金を調達し、短期的に爆発的な成長を目指すモデルだけではなく、堅実にキャッシュフローを生み出しながら徐々に事業規模を拡大する“ソリッドベンチャー” と呼ばれる形態の企業も存在します。

ソリッドベンチャーの特長は、爆発的な資金調達に頼るのではなく、自社の利益や最小限の調達を活用して地に足の着いた成長を遂げることにあります。

この文脈で注目したいのが、2021年に創業し、わずか2年の間に国内4拠点、250名以上の営業エキスパートを集結させるなど、大きく事業を拡大している株式会社Grand Centralです。

セールスコンサルティングの世界で存在感を示し、名古屋を拠点としながら東京・大阪・福岡へと短期間で展開し続ける同社が、どのようにして安定成長と規模拡大を両立させているのかを探っていきましょう。

会社概要と創業背景

会社情報

  • 会社名:株式会社Grand Central
  • URLhttps://grandcentral.jp/
  • 代表者名:北口 拓実(代表取締役CEO)
  • 設立:2021年

株式会社Grand Centralは、名古屋市中区に本社を置き、東京・大阪・福岡にも拠点を展開するセールスコンサルティング企業です。

創業は2021年と非常に新しく、わずか2年で全国4拠点を構えるなど、異例のスピード感で事業を拡大してきました。

同社はセールスノウハウの提供や営業組織のDX推進、人材育成など、企業の営業活動を多面的にサポートし、「国内最大級のセールスコンサルティングカンパニー」を名乗っています。

創業当初の事業モデル

Grand Centralが主力とするのは、企業の営業活動にまつわるコンサルティングサービスです。具体的には、営業戦略の立案から実行支援、営業組織構築やDX化支援、人材教育に至るまで包括的にサポートしており、その内容は従来の単発コンサルに比べ幅広く、実動レベルにコミットする点が特徴と言えます。

創業者である北口拓実氏は、大手製造業向けの法人営業で圧倒的な実績を誇るキーエンス出身で、史上最年少で同社売上レコードを更新、全社ランキング1位など数々の社内表彰を経験してきました。

そのトップセールスとしての現場ノウハウやコンサル視点を掛け合わせ、「営業の常識に革命を起こす」ほどのサービスを提供しようと起業したわけです。

ソリッドベンチャーとしての成長戦略

1. 創業期の資金繰りと“地に足の着いた”拡大

同社が誕生したのは2021年というコロナ禍真っ只中の時期です。本来であれば、人と人との直接的なやり取りを伴うコンサルティング事業は難しいフェーズにもかかわらず、Grand Centralはこのタイミングで創業し、わずか2年で国内4拠点を展開するまでに至っています。

この急成長の背景にはいくつかの要因がありますが、まずは下記が挙げられます。

  1. 自己資金を活用した安定経営
    外部から大規模な投資を受けるスタートアップとは異なり、現時点では資金調達に関する大きな報道がないため、自己資金をベースにサービスを拡大してきた可能性が高いです。

    創業者自身のビジネス実績(=強力な個人信用)も、金融機関からの融資や小規模投資家からの出資を得やすかった要因でしょう。
  2. 短期成果を生むコンサル収益の確保
    企業の営業課題は、解決策がうまくハマれば即座に結果(売上増など)に結びつきやすく、企業側が対価を支払うインセンティブも高い領域です。

    Grand Centralのコンサルモデルは、“顧客企業の売上を伸ばせるか”が分かりやすい指標であり、実績を積むほどに新規顧客が見込めるため、キャッシュフローを安定して確保できたと推察されます。

2. 現場伴走型のコンサルによる高単価モデル

コンサルティング事業は、人件費負担が大きくなりがちですが、その分、高い付加価値を提供できれば高単価を実現できます。

Grand Centralでは、単なる営業戦略の提案だけでなく、組織体制やDX化まで踏み込む支援、さらに人材育成の領域までカバーしているため、企業としては一括して依頼できるメリットがあります。

これはソリッドベンチャーらしい特徴で、サービスを“包括型”に設定することで、単価アップとリピート獲得につなげる施策を取っていると考えられます。

短期間で250名超のセールスエキスパートを集結させたという実行力は、それだけ高額案件を取り続けていることの証とも言えるでしょう。

3. 人材育成への注力:大学での教育活動やシナジー

北口氏は情報経営イノベーション専門職大学の客員准教授も務めており、後進を育成する活動に注力しています。これは、単に社会貢献という側面だけでなく、優秀な人材を早期に発掘・育成し、組織に取り込むという狙いもあると見られます。

コンサルティング事業は社員(コンサルタント)のスキルに業績が大きく左右されるため、優秀な人材の確保が最重要課題です。

教育機関との連携を通じて業界認知度を高めたり、若手人材が興味を持ちやすいブランディングを行ったりすることで、中長期的な人材獲得に備えているのです。この戦略は、急激な拡大に伴う人材難を解消するうえでも、ソリッドベンチャーの持続的成長に寄与しています。

事業の多角化と新規展開

1. セールスデベロップメント・DX・イネーブルメントの3領域

Grand Centralは、セールスコンサルティングという1本柱ではなく、セールスデベロップメント、セールスDX、セールスイネーブルメントという3つのサービス領域を設定しています。これらはいずれも企業の営業組織強化に関わるものであり、互いに補完関係にあるサービスです。

  • セールスデベロップメント:新規顧客のリード創出、アプローチ手法の最適化など。
  • セールスDX:営業プロセスのデジタル化を推進し、CRMやSFAといったツール導入サポートを行う。
  • セールスイネーブルメント:営業組織全体の教育や仕組みづくり、ナレッジ共有を行い、継続的に営業成果を最大化する。

このように広範なサービス提供が可能な点は、1社ごとに合わせたコンサル展開がしやすく、顧客企業にとっては「この会社に頼めば全部まかなえる」という安心感につながります。

多様な営業課題を解決しながら、新規事業あるいは追加サービスを提供していくやり方はソリッドベンチャーが取りやすいアプローチです。

2. 地方から全国へ:4拠点展開

創業地である名古屋は、日本の主要都市の一つではありますが、東京に比べると情報やビジネス集積で劣る面もあるかもしれません。しかしGrand Centralは、名古屋を基点としながら東京・大阪・福岡へ次々と進出し、全国企業へのアプローチを広げています。

セールスコンサルにおいては、拠点を持つことで各地域の企業事情を把握し、人脈形成も容易になります。また、企業トップや現場の営業担当者と対面やオンラインを適切に組み合わせながら実行フェーズを推進できるため、地方での細かなニーズにも対応可能です。

このように、段階的に拠点網を増やすのはソリッドベンチャーならではの拡大戦略であり、無理に全国一気展開せず、一定の収益状況や人材確保のタイミングを見計らいながら拠点を増やしていると推測されます。

3. DX推進とIT活用

営業コンサルとはいえ、DX推進を掲げている以上、同社は何らかのITツール導入支援を手がけているはずです。CRMやSFAツール(SalesforceやHubSpotなど)を活用し、営業プロセスの可視化や自動化を進めることで、顧客企業に定量的な成果を示せる形を作っていると考えられます。

DXが実現すれば、コンサルティングの成果が売上増・コスト削減など明確に見えるため、コンサルフィーを上乗せしやすいという特典があります。さらに、導入後の保守や追加コンサルなど、継続的収益が期待できる点もソリッドな収益基盤づくりに好影響をもたらします。

市場と地域

1. セールスコンサルティング市場の可能性

近年、企業の営業活動はコロナ禍によるリモート化やデジタルシフトの影響で大きく変化しています。従来の対面営業だけでなくオンライン商談、Inside Sales、MA(マーケティングオートメーション)など、多様なアプローチが必要とされる時代です。この状況下で、専門知識やノウハウを持つコンサルタントの需要が高まっています。

特に日本企業では、IT投資や営業改革が遅れがちと言われており、外部のセールスコンサルに依頼した方が速いという判断が増えているのでしょう。こうした需要拡大の波に乗って、Grand Centralは急成長しているとみられます。

2. 地方×大都市の二軸展開

地方都市である名古屋を拠点にしつつ、東京や大阪、福岡にも拠点を持つのは、地域間のシナジーを得られるメリットがあります。

たとえば、東京では大企業やスタートアップのコンサル需要が大きく、名古屋や大阪、福岡では製造業やローカル企業の営業改革需要が増えている可能性があります。

各地域での営業課題や競合環境を理解しながら、全国的な視野で展開できるのはソリッドベンチャーとしても強みです。

失敗事例や課題:ソリッドベンチャーの強みに学ぶ

1. コンサル業固有のリスク

コンサル事業では、成果が明確に数値化されないと顧客満足を得にくいリスクがあります。営業コンサルであれば、比較的数値目標(売上増など)を設定しやすいですが、それでも顧客とコンサルのコミュニケーション不足や実行フェーズの遅延などが起これば、プロジェクトがうまく進まない懸念があります。

Grand Centralも急成長の中で、大量のプロジェクトを同時に抱えることによる品質管理が課題となる可能性が高いでしょう。

ソリッドベンチャーの強みは、無理な事業拡大をしすぎず、コアメンバーの質とサービス品質を優先できる点にあります。Grand Centralが顧客の声を丹念に聞き、プロジェクトマネジメントを徹底し、改善を重ねることでトラブルを最小化する姿勢が、今後の信頼とリピートにつながると言えます。

2. 人材拡大フェーズの課題

わずか2年で250名以上を擁する組織まで成長したという情報からも、人材採用スピードが非常に速いことが分かります。しかし、そこには新人教育や企業文化の浸透、情報共有体制の整備など、さまざまな組織課題が発生するリスクも大いにあります。

ソリッドベンチャーとしての考え方を踏襲するなら、利益体質を崩さずに必要な人材を計画的に増やし、教育プログラムや社内ツールを整備していくことで、質の高いサービス提供を維持することが肝要です。

大学での教育活動なども、長期的な人材育成の一環として行っていると見ることができ、ソリッドなアプローチを取っていると評価できます。

Grand Centralに見るソリッドベンチャーの可能性

  1. 堅実な資金戦略
    公開情報から判断するに、大型のVC投資や派手な資金調達に頼っていない可能性が高い。創業者の個人リソースや小規模の自己資金で始め、サービス収益を再投資する形で組織を拡大。
  2. スピード感と安定収益の両立
    セールスコンサルという高付加価値サービスを核に、短期間で大きな売上を確保。かつ複数拠点を展開しつつ、品質を落とさないよう人材教育やDX化も進めている。
  3. 包括的なサービスラインで単価アップとリピートを狙う
    営業活動にかかわる戦略から組織構築、DX、人材育成までを一括で行う。企業にとっては「営業強化を任せるならGrand Central」という図式が成り立ち、高い満足度と持続的な契約を確保できる。
  4. 人材育成とコミュニティ形成
    代表の大学客員准教授就任や教育活動などを通じて、将来的な優秀人材の発掘・育成を仕組み化。これにより、急激な拡大でも採用難を緩和し、社内文化や品質維持を担保しようとしていると考えられる。
  5. 段階的な地域拡大
    名古屋で創業し、東京・大阪・福岡へと順次拠点を増やす。これによりリスクを抑えつつ、全国マーケットへのアクセスを得ている。各地域での営業支援ニーズを拾い上げることで、安定成長が可能に。

これらの要素は、ソリッドベンチャーが多く取るパターンと重なる部分が大きく、Grand Centralはまさにそのモデルケースと言えます。

わずか2年で国内4拠点250名超という数字は極めてインパクトのある成長を示しており、それを支える背後には「高収益を生み出すコンサル」「無理な赤字を出さない」「人材確保と教育に力を注ぐ」といった、地道かつ戦略的な経営判断があると推察されます。

今後はさらに多角化を進めて、例えば海外企業へのセールス支援、特定業種に特化したDXソリューションなどを展開していく可能性も考えられます。

ただし、その拡張にもソリッドベンチャーらしい慎重かつ段階的なアプローチを取るなら、同社は中長期的にも安定成長を続けられる見通しです。

スタートアップが大きな資金調達や赤字覚悟の成長を目指す事例が注目されがちな中、Grand Centralのようにコンサルティングの高い付加価値を活かし、堅実なキャッシュフローを得ながら急拡大していくストーリーは、ソリッドベンチャーの理想像を体現していると言っても過言ではありません。