2024.09.12
マルゴト株式会社
マルゴト株式会社の代表・コンさんへインタビューをしました。全国どこからでも働けるフルリモートの会社を立ち上げまでの「過去・現在・未来」の話を伺いました。3回の起業経験?どうやって事業の種を見つけているの?コロナ禍の逆張り採用?コンさんのリアルな体験談を根掘り葉掘りきいてみました!
社員は全国でフルリモート。どのように採用してる?
ー本日はマルゴト社の今さんにお越しいただきました。マルゴト社のこれまでのことをお聞きしたいと思ってます。よろしくお願いします。
マルゴト株式会社 今 啓亮 氏(以下、コン):よろしくお願いいたします。
ーまずは、事業内容を教えてください。
コン:マルゴト株式会社という会社を経営している今啓亮と申します。採用代行という企業の採用業務を行っています。採用の募集文を作ったり採用ターゲットを決めたりしています。
また、スカウトメールを代行でお送りしたり、日程調整をしたりと採用業務を全て代行しています。2024年8月現在、社員が186名。2024年内には200人ほどになる予定です。
ーフルリモートを条件にした採用というのを聞いたのですが?
コン:そうです。全社員がフルリモートで働いていて全員1回も出社したことないっていう感じですね。僕自身も札幌に住んでいて札幌本社としてやっています。
ー全国津々浦々、北海道から沖縄まで?
コン:そうです。北海道の函館とか十勝の方とかもいますし、全国各都道府県にメンバーがいます。石垣島とか沖縄本島までいたりします。
ーすごいっすね。具体的に完全リモートの採用ってどうやってやっているんですか?
コン:自社の採用は、いろんな求人媒体を出しています。僕らが採用代行の会社なんで、お客さんに当社のいろんな試行錯誤の経験も提供したいなと思っていて、知見を提供するならそれが手っ取り早いなって。
各媒体によって実はいろんな機能があるじゃないですか?スカウトもあるし、ストーリーっていうブログみたいな記事もあるし、あと広告を出せたりと。正直、必要あるかどうかわからないけれど、研究開発として自社採用で試す、みたいな。
なので、結構いろんな求人媒体を使って自社の採用をしていますね。
ー自社でPDCA回して、クライアントさんに適切な媒体を、適切なタイミングでご提案されてるって感じなんですね。
コン:そうです。自社はいろんな採用にトライしてます。
ーどういった会社さんをクライアントさんにされてらっしゃるんですか。
コン:今はいわゆる伸びている会社ですね。成長企業に特化していて、資金調達を積極的にされているところや上場を目指している会社もそうです。最近だと、全国にお客さんが少しづつ広まってきていて、地方、函館や札幌、鹿児島などにある伸びてる会社さんも手伝っています。地方の企業さんは調達云々ではなく、普通に売上が伸びてる会社ですね。
ただ、やはりメインは首都圏で資金調達をして、上場を目指している会社さんが一番のド真ん中のお客さんではあります。
社員ゼロ・1人社長から社員180名へ。ただ、最初は何でも屋。
ーいまは2024年6月ですが、会社として何期目ですか?
コン:いま9期目です。
ーマルゴト社の過去9期を振り返ってみて、どのような変遷だったかお聞きしてもいいですか。
コン:いま僕は38歳で、29歳で起業しました。実は、最初の3年間は僕1人だけの会社だったんです。1人法人・1人社長。0歳の子供がいる状態で起業をしていたんで、子育てしながら在宅勤務で1人社長やってるみたいな。正直、子育てと仕事を両立したくてフルリモートの会社を作ったのが2015年。
そこが最初のスタートです。4期目に現在の事業の採用代行の方向でいくと決め、社員を一気に増やそうと。そこからずっと増え続けて、いまの社員180名までいったという感じです。
ーすごい。最初の1年目について聞きたいんですが、そのときはどのような事業をやっていたんですか?
コン:1年目はとにかく自宅で働くっていうことがテーマでした。「何か仕事ないですか~?」といろんな人に話をしに行ったりしながら、オウンドメディア、要はアフィリエイトみたいなことにも挑戦してました。新規事業立ち上げやオペレーション作りなどもやっていたりと、いろいろやってました。
ー全方位の支援やってらっしゃったと。
コン:なんなら「ホームページ作ってもらえませんか?」の相談もありました。「いや、作ったことないっす。でもできるかもしれないんでやらせてもらっていいですか」みたいな笑
最初の3年はそんな感じで、めちゃくちゃ泥臭く生きてました。
ー泥臭くやれていた理由は、今さんがマルゴト社を創業する前のキャリアに紐づくものなんですか?
コン:そうですね‥‥。僕は今回の会社で3回目の起業なんです。1回目が学生企業で家庭教師の仲介。2回目が海外で人材紹介会社の経営。で、いまのマルゴトが3回目の会社です。これまで何もないところから仕事を作ってきたので、何とかなるかみたいなものはありました。
ー「これまで」が気になります笑。1社目の起業からお聞きしたいんですが、大学生のときに1社目作られてると思うんですが、始めた理由は何かあるんですか?
コン:最初のきっかけは、大学2年生のときに就活をしていく先輩たちを見ながら、自分は将来なにをしようかなと探してるときでした。たまたま北海道で27歳ぐらいの社長と出会って、その人がすごい楽しそうだなって思ったのが始まりです。
で、自分も起業しようと思い、どうやったら起業できるのかを学ぶためにその人にずっとくっついて回ってみました。そこでいろいろ教えてもらい、20歳の大学3年生のときに起業に至りました。3年生の初めに起業し、実質1年半ほど1社目を運営していました。
ー1社目は最終的にどうなったんですか?
コン:正直、閉じました。結論、バイトの域を超えなかったって感じです。
家庭教師は同級生を先生として生徒を集めてマッチングをしていたんですが、当たり前なんですが、やっぱりみんな就職してしまい、先生がいなくなってしまうんです。そうすると、次の世代の後輩に頼る〜というサイクルになってしまい、「これイケてないなあ」となってしまい‥‥。
事業をやっていくなかでバイトの域をどう考えても超えないというのが見えてたので、卒業後も続けるというのは微妙だな、と。なので、1度、就職をして3年くらい修行しようみたいな感じで就職をしました。
1年10か月でカンボジアNo1の人材紹介会社に。そして、EXIT。
ー起業経験があってからの就職って結構ギャップありませんでしたか?
コン:いや、30人ぐらいのベンチャー企業に入ったんですけど、正直1社目の起業とそんなに変わらなかったですね。
しかも、いきなり福岡支店を立ち上げろっていうミッションだったんでいろいろと全部任せてもらえたみたいな環境だったのでなおさら。
ー就職されたあとに2社目だと思うんですが、どんなタイミングだったんですか?
コン:2社目は、就職したベンチャー起業で3年働き、営業なり支店長なりを経験しました。26歳のタイミングでカンボジアへ行き、人材紹介会社を作ったという流れです。ここが「謎すぎる」って言われるんですが笑
ー2つ質問があって、なぜカンボジアにしたのか?なぜ人材系のビジネスにしたのか?を教えてください。
コン:社会人3年目の退職前後で、起業のアイディアを探していました。たまたま大学のOBがカンボジアで飲食店を経営をしていることもあって、旅行でカンボジアにいきました。その方に話を聞くと、シンプルにめちゃくちゃ儲かってて「カンボジアってこんな儲かるんすか!」という衝撃がありました。
正直、当時のカンボジアのイメージは、貧困の国とか地雷の国とかボランティアで学校を作る、みたいなのがありました。なのですごいギャップがあり、「おもしろ~」と。
新卒で入った会社には3年で辞めると伝えていたので、退職した直後にカンボジアへ行き起業したという経緯です。
なぜ人材系なのかですが、最初の2ヶ月間でいろんな方にヒアリングしまくりました。「僕、カンボジアで起業しにきたんですよね。何か困ってることないですか?」みたいな。2か月間リサーチという名のヒアリングをしていていろんなニーズはあったんですが、全ての業界で人材不足の話が出てたんです。
商社も人材で困ってるし、工場も人材で困ってる、飲食店も。その気づきをきっかけに「ここはできそうだな」というかたちで人材系の事業を決めて始めました。結局、2013年から2015年の丸2年は現地に住んで事業をやっていました。
ーそれも途中で区切りをつけたわけじゃないですか。どんな形で終わったんですか?
コン:カンボジアで起業したときは、カンボジアでNo.1の人材紹介会社を作ろうって決め、ミッションを掲げて走ってたんです。
創業から1年10ヶ月ぐらいのとき、現地のメンバーと日本人1名の社員32名ほどですかね、リサーチ会社にカンボジアにあるすべての人材紹介会社を調べて第一位の売上目安を出してほしいと依頼しました。
出てきた結果は、僕らの会社が1位だったんです。2年弱で目標を達成してしまったんです。日系企業とかではなく、現地の人材紹介会社も含めて1位である、と。
ーすごいすね‥‥。
コン:もちろん、1位というのはいろんな見方がありますし、歴史が長い方が~などありますが、シンプルにその当時の瞬間風速の売上として1位だったんです。
ー結果出すの早いですね‥‥。
コン:人材紹介業って登録者が全て大事になってくるのです。登録者、つまりカンボジアの方の履歴書ですが、当時の登録者のデータベースが1万5,000人ぐらいありました。なので1人採用したいという依頼を受けてもすぐに見つかる構造になっていました。
その状態まできたので、それからの展開は、2位や3位のシェアを奪っていくか時間をかけて市場が広がるのを待つかの選択になりました。そうなったら「やりきったかもなあ」と。
正直、「カンボジアで1位になっちゃった」って感じでした。私としては、もっと先だと思っていたんですが、すぐなってしまって‥‥。そこで気づいたのが、やっぱ市場規模なんですよね。市場規模ってこんなに大事だったんだってことに気がついて、次のチャレンジは絶対に東京へ行こうと思いました。日本へ帰ろうと。
あとはプライベートで結婚というのもあり、事業をやめることにしました。
最終的には、カンボジアの会社は僕が経営者のときに日本人の営業が1名いて、その人に代表交代しました。実は出資を2社から入れてもらっていたので、そのうち1社に100%買い取ってもらいました。なので、小さくM&Aイグジットし、会社としては完全子会社化してもらいました。
東京で最初に始めようとした事業の筋は悪かった。
ーようやくいまのマルゴト社の話ですね。日本に帰ってきてすぐに現在の会社を?
コン:はい。ただ、これまで、東京に住んだことがなかったんです。北海道出身で福岡支店を作ってカンボジアから帰ってきたというキャリアで。なので、東京のビジネス環境が全然わかりませんでした。ぶっちゃけ半年くらい、悶々としてました。
何をどうしようか何人かに話を聞きながら迷っていました。そんなことをしている間に奥さんが子供を妊娠しまして苦笑。
「あと半年後に子供が産まれる」という状況になったので、就職したら忙しくなりそうだし、子育てとの両立は難しそうだなと。僕は育児もしたいし、仕事もしたい。両立させるためには、また起業してフルリモートの会社をつくろうと決めました。
ーなぜ、いまのマルゴト社が展開されているRPO(Recruitment Process Outsourcing)の領域に参入したんですか?
コン:僕の場合、いまの会社はいきなり起業しちゃった感じです。子育てするぞって決めて箱だけ作ったような感じです。その中でいろいろ動いている中でニーズに気がつきました。
先ほどもお話した通り、僕はカンボジアで人材紹介をやっていて、しかも年間200人ぐらい決まってたんです。平日、毎日入社くらいのペースで決まったので、日本でも人材紹介をしたらいいのでは?と。
ただ、いろんな方に人材紹介の話をしたところ、
お客様「今さんもやるの?」
コン「え、そんなに人材紹介会社って多いですか?」
みたいなやり取りが続きまして‥‥。日本の人材紹介は違ったのかと思いました。そのあとも、
コン「こういう求人メディアだったらどうですか」
お客様「よくあるよね」
コン「こういうイベントあったらどうですか」
お客様「それも結構あるよね」
と言われつづけました。正直、人材業界は厳しいなと。
そんなこんなでいろいろ話をしていたら「今さんが、人事でうちに入ってよ」と言われ
るようになりました。しかも立て続けに2社も。「僕に人事で入ってほしいって企業2社いるのか」となったときに思いつきました。
人事の仕事を全部会社で受けてやればいいじゃん、と。
そうすれば、人材会社にもならずに「人材会社をうまく使いましょう」だし、求人メディアを運営せずとも「求人メディアをうまく使いいましょう」だし、イベントを開催しなくても「イベント会社をうまく使いましょう」ですし。
企業の立場にたって100%で考えられると思いました。この座組みを提案したところ、「全然それでいいよ」となりました。
コロナ禍で逆張りの人材採用加速。その真意は‥‥?
ー時代が良かったというのはありますか?2014年くらいからスカウト型の求人媒体、例えばビズリーチやWantedlyなどが勃興し始めた背景があると思ってまして。
それまでは媒体に出稿し、応募をしてくれた人たちをさばいてた人事が、ある種マーケっぽい思考になって、求職者にリーチしたりコミュニケーションしなきゃいけなくなり、「あれ、これめちゃくちゃ大変かも」と気づいたタイミングなのかなって。
積極的にアプローチする方法のナレッジが溜まってるところにお願いしたくなったときに、「コンさんがいるじゃん」ってなったのかなと。どうなんでしょう?
コン:時代的に、「スカウトが大変」とまではいってなかったですね。支援した最初の2社はWantedlyを使ってなかったんで。
お客様「最近の若手ってWantedly使うの?」
コン「使ってますよ!なので導入しましょう」
というやりとりから入ってました。ビズリーチやWantedly、Greenなりいろんな方法があるけど、どれを選んだらいい?というような感じでした。
ダイレクトリクルーティングでDMを送ってるけど大変。誰かいないかなというフェーズにはまだなってなかったです。肌感、2021年くらいからかなと。
ー競合、多かったんじゃないですか?
コン:当時は競合はほとんどいなかったですね。Wantedlyの運用代行とか僕しかやってなかった時期がありましたし。「Wantedlyの運用代行します」というランディングページを作っていたんですが、検索してもうちのLPしか出てきてませんでした。「Wantedly運用、でGoogle1位だな」みたいな。
ークライアントさんとコミュニケーションしていく中で、潜在的な共通ニーズを見つけ、自社の本業にしていた。そんな進め方なんですね。
コン:はい、そうだと思いますね。過去を振り返ってみても、僕の起業の仕方はそのタイプですね。
カンボジアのときも「何か困ったことないですか」からはじまってますし、帰国してからも「なにかないですか」と人の話を聞きながら始めています。人事が足りないんだったら、うちがやりましょうか、と。ニーズが先にあって、その後にソリューションで起業をしていました。結果論かもしれないですが。
ー事業として滑らないですよね。
コン:そうですね。ソリッドです笑。ありがたいスタートの仕方ではありますね。
ー人事領域って外的環境に左右されると思うんですが、コロナ禍の時はどうだったんですか?
コン:コロナ禍のときにはすでに社員が20人ぐらいいたんです。‥‥で、大赤字でした。マジで大赤字。
ー案件がなくなったという感じなんですか?
コン:そうです。うちのメンバーは正社員で採用していて、企業さんとは1ヶ月ごとの契約更新だったんです。
ずっと1ヶ月契約をし続けてるというケースなので、事業としてはめちゃくちゃリスクがあります。それは元々わかっていましたし、そのリスクをうちが取りにいくことで、お客さん側に心配がないように契約をしていました。
それが思いっきり赤字の方に出たのがコロナ禍でした。当然、旅行×ITみたいな会社さんは即契約打ち切りになりましたし、いくつか同様の理由でバンバン打ち切りになっていきました。純粋なITやSaaS系は伸びていきそうだったんですが、世の中が読めなさすぎて、「ちょっと1回採用止めます」と。
ーなるほど‥‥。
コン:半分とかまでいかないですが、多分売上が40%減ぐらいバンっ!と1ヶ月で下がりました。ただ、社員は抱えていたのでコロナ禍のときはもう大ピンチでした。
ー社員は整理せずにずっと一緒に?
コン:そうです。むしろ、そこで僕はコロナ融資を借りに行ったんです。
大赤字になっていましたし、しかも自己資金だけでやっていたので「やばいな。普通に潰れるな」というレベルでした。なのでコロナ融資を借りにいき、「MAX貸してください」といろんな銀行へ回りました。
最終的に9,000万借り入れたんですよ。
ーえ?
コン:2,000万円くらい借りようと思ったら、なんと9,000万円いけてしまって。そこから採用をしたんです。ド赤字なんですけど、毎月1人~2人をずっと採用し続けていきました。コロナ禍になり、世の中のどの企業も採用が止まりました。その中でも採用やっていきたい人事さんがいるのに、その方たちの仕事がなくなってしまったんです。
営業事務や営業に異動になったりして、「私、採用や人事を極めたかったのに‥‥」と。コロナ禍は瞬間的でしたが、人事の仕事が結構あぶれた時期だったので、めっちゃくちゃ優秀な人事さんが潜在的にいるとわかっていました。
コロナ融資も思いのほか引けたので、「ここは逆に自社の採用加速だ」という意思決定をしました。
ーすごい‥‥。
コン:仕事は少ないけれど、社員の人数は増え続けるみたいな状況が起きていました。
仕事は少なかったんですが、コロナ禍明けに向けてナレッジや運用の仕組み、マニュアルなどを「全部作り切ろうぜ」というタイミングにしました。無事コロナ明けから採用スタートになった企業さんから順次またお仕事をさせてもらいました。
ーその話、面白すぎます。でも、確かにスキルを持ってる人たちは劇的に減らないし劇的に増えないはずで、その状況を理解したうえで市場環境がガラッと変わったときに、一気に獲得しに行くっていうのは、話を聞けば合理的ですよね。
コン:後から思えば合理的なんですけど、その瞬間はひやひやでした笑
他社はどうでもいい。まずは目の前のお客様に向き合うことが大切
ーコロナの時期って2年ほど続いたと思うんですが、その頃に、ぐっと伸びていったスタートアップでキャスターさんがいたと思ってます。キャスターさんのビジネスとマルゴトさんのビジネスって、割と似ている領域かなと思ってるんですが‥‥。
コン:そうですね、似てるいと思いますね。
ーかたやスタートアップでエクイティ調達をバンバンしていって一気にアクセル踏んでいっているキャスターさん、かたや自己資本や融資でソリッドに事業展開していたマルゴトさんという対比構造で、全く同じ時期に横並びになったとき、今さんとしてはどういう心境だったんですか?
コン:正直あまり気にしてなかったですね。創業からいままでも変わらない考え方として、目の前のお客さんに喜んでもらおうと思ってますし、社内でも言い続けています。そもそもこれが僕の考えでありカルチャーなので、他社さんがどうかとかはあんまり気にしなかったです。
外から見たらすごい似通っている見られ方をしてたんですが、運営の仕組みは結構違ってました。当時は業務委託を集めてチーム作っている会社に対して、僕らは全員社員でやっている会社。なので、自社採用の要件も、あまりかぶらなかったです。
ー未来やビジョンとかはどんなことを考えているんですか?
コン:シンプルに顧客と社員から愛される大きい会社を作りたいと思っています。そこを目指して、事業展開も積極的にしています。多分、見てる軸がちょっと人と変わってる部分がありまして‥‥。
うちのビジネスの話をすると「社員を増やすことって労働集約ビジネスだし、社員を増やしたら固定費が大きくなるじゃん」といわれることが多いんですが、僕は社員を増やすことが純粋に好きなんですよね。
いままでも「固定費じゃん」と思ったことは一度もないですし、普通に仲間がどんどん増えていって嬉しいという感情しかないんですよね。特に、僕らの会社って女性が86%いるんです。東京在住者も13%しかいなかったり。地方に住んで育児をしたいとか、ライフイベントを乗り越えていきたい、旦那の転勤があってもずっと働ける職場を探してる。そんな人達が仲間になってくれていて、社員からもめっちゃ喜ばれてるって感覚もあるんです。
なので社員の数が増えていくって僕にとってはポジティブで、むしろそっちがやりたい。
そして、社員たちには僕の方を向いて働かないでね、と伝えています。お客さんのことだけ考える職場を僕は作りたいから、お客さんのことだけ考えてほしい、と。うちは採用特化の事業なので、とにかくお客さんの採用がうまくいくことだけ考えて、時間を使ってやっていってほしい。
僕は社員を増やしていきたい、社員はお客さんのことだけ考えてればいい。なんかこの会社経営のあり方が僕の中ではすごいすっきりしているんです。純粋な気持ちで経営できてるな、みたいな。
ーコロナ禍で採用を加速させた話、めちゃくちゃ面白い話だと思いました。僕の好きな本で『ばかなとなるほど』という本があって。
ざっくり説明すると、普通の人がみるとそれって馬鹿じゃない?って思われていることが、実は中の人の視点からみると、めちゃくちゃ合理的にできていて「なるほどな」ってなる事業が一番強いという事例集で。今回の採用の話は、まさに「ばかなる」じゃん、と。改めて今日はありがとうございました。また引き続きいろんな話を聞かせてください。
コン:はい、よろしくお願いします!
■スピーカー
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代表取締役 今 啓亮 氏:https://x.com/konkeisuke
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