株式会社ミギナナメウエ

事業内容

採用コンサルティング、転職支援、システム開発など

代表取締役CEO

古鍜冶 賢

青山学院大学在学中の19歳の時に起業。 イベント中心としたPR事業を行うが、コロナウイルスを機に事業転換を決意し人材業界に進出。現在は“日本を代表する会社を作る“というビジョンを掲げ、人材業界を中心に複数事業を展開する。

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2024.11.25

「ソリッドベンチャーとしての株式会社ミギナナメウエ」著者の視点

株式会社ミギナナメウエ(以下、ミギナナメウエ)は2018年に創業し、当初はイベントPR事業をメインに展開していましたが、コロナ禍をきっかけに人材業界へ参入し、採用コンサルティングや人材紹介、システム開発などを多角的に展開することで急成長を遂げています。

また、外部資本に頼らず自己資金で事業を拡大してきたという点で「ソリッドベンチャー」としての特長が顕著です。本記事では、ソリッドベンチャーの概念や同社の成長要因、多角化戦略、そして今後の展望までを総合的に分析してみます。

ソリッドベンチャーとは何か

ソリッドベンチャーとは、スタートアップ企業が短期的な投資回収に走るのではなく、自社が生み出すキャッシュフローや自己資金を再投資しながら持続的に成長していくベンチャー企業を指します。

多額の外部資金(エクイティファイナンス)を調達せず、経営の独立性を維持し、創業者の理念や長期的なビジョンを貫きやすい点が特長です。

通常のスタートアップでは、シード期やアーリー期にVC(ベンチャーキャピタル)などから多額の資金調達を行い、大きなリスクテイクをしながら急拡大を目指すアプローチが一般的とされてきました。

一方、ソリッドベンチャーの場合は、自己資金と事業収益を原資として徐々に拡大するため、成長スピードは必ずしも“爆発的”とは言えないかもしれません。

しかし、過度な外部資本に依存しないことで、経営判断の自由度が高く、経営者の意志決定がブレにくいというメリットがあります。

このようなソリッドベンチャーが注目される背景には、以下のような要因があります。

  1. 経営の柔軟性
    大きな株主構成の変化がないため、経営ビジョンを維持したまま、長期的な視点で事業を運営しやすい。
  2. 強固な財務体質と信頼性
    事業収益を中心とした着実な財務構造を構築することで、リスクがコントロールされ、社内外のステークホルダーからの信用力が高まる。
  3. オペレーション面での着実な蓄積
    自力での成長を実現するために、日々のオペレーションや顧客対応を堅実に積み重ねる企業文化が形成されやすい。

ミギナナメウエもまた、このソリッドベンチャーとしての性格を色濃く持っています。創業当初から自己資金で事業を展開しており、外部資本を導入せずに拡大してきたことで、明確なビジョンと柔軟な戦略を展開できています。

株式会社ミギナナメウエの創業背景

2-1.会社情報

  • 会社名:株式会社ミギナナメウエ
  • URLhttps://migi-nanameue.co.jp/
  • 代表者名:古鍛冶 賢(代表取締役CEO)
  • 創業年:2018年

創業当初の事業モデル

2018年に設立されたミギナナメウエは、イベントPR事業を中核とするビジネスからスタートしました。具体的には、各種イベントの企画・運営、集客施策、SNSやメディアを通じたPRなどを手がけ、顧客企業のブランディングや販促活動をサポートしていたと考えられます。

創業当初はコロナ前であり、大規模イベントの需要が拡大傾向にあった時期です。

しかし、2020年以降のコロナ禍によってイベントが大幅に縮小・中止となり、その影響をまともに受けることになりました。

そこで同社は、コロナ禍の逆風をチャンスに変えるべく、人材業界へと大胆にピボット(事業転換)を図ります。

創業者のバックグラウンド

代表取締役CEOの古鍛冶賢氏は、青山学院大学在学中の19歳で起業を果たしたという経歴を持つ起業家です。学生時代から起業への意識が高く、まずはイベントを軸としたPR事業でビジネス経験を積んだとのこと。

その後、社会環境の変化に合わせて経営戦略を大胆にシフトし、わずか数年での事業多角化に成功しています。

若くして起業した経営者が、外部資金を大々的に調達するのではなく、自己資金をもとに着実に規模拡大を狙うのは珍しいパターンです。

一般的には若手起業家ほどVCからの出資を受け入れ、急成長型のビジネスを構築するケースが多いため、古鍛冶氏のアプローチはソリッドベンチャーとしての姿勢が如実に表れているといえるでしょう。

コロナ禍による事業転換と急成長

イベントPRから人材業界への進出

世界中がパンデミックに直面した2020年以降、リアルイベントの開催が困難になり、イベントPR事業は大打撃を受けました。しかしミギナナメウエは、この状況を逆手に取り、人的ネットワークや既存顧客のニーズを的確に捉えながら人材業界へ転換

当初のイベント業務で培ったコミュニケーション力や企画力、人脈などは、そのまま人材サービスに横展開できる資産となりました。

採用コンサルティングや転職支援への展開

人材業界への参入においては、まず採用コンサルティング転職支援といった領域に進出。企業と求職者のマッチングを支援するだけでなく、企業の採用戦略策定や採用ブランディング、オンライン面接システムの導入など、多面的な支援を行うのが特徴です。

コロナ禍で採用活動がオンライン化したことから、同社のようなデジタル活用に長けた企業のコンサルティングが需要を増していきました。

システム開発などの人材関連事業の拡充

さらに、単に人材紹介や採用コンサルを行うだけでなく、自社でシステムを開発し、採用管理や面接設定などのプラットフォームを提供する動きもみられます。

これは、IT技術を駆使して企業の人事業務を効率化したいという狙いが背景にあると推測され、コロナ禍で一気に高まったオンライン人事のニーズを取り込むかたちになっています。

ソリッドベンチャーとしての成長要因

自己資金経営による独立性の保持

ミギナナメウエは、創業以来、外部資金をほとんど導入しておらず、自己資金で事業を拡大してきました。ベンチャー企業では珍しく、投資家からの出資を受けずに自力でキャッシュフローを回しているのです。この経営スタイルは、以下のメリットをもたらしました。

  1. 経営判断のスピードと柔軟性
    投資家への報告や株主の意向に左右されず、経営者の判断で素早く事業の方向転換が可能。
  2. ミッション・ビジョンの一貫性
    「日本を代表する会社を作る」というビジョンを掲げ、利益だけでなく会社の理念を重視した長期的戦略を描きやすい。
  3. リスク管理の明確化
    大規模な資金調達を行わないため、借入や株式希薄化のリスクが小さく、堅実な財務運営ができる。

特にコロナ禍という予測不能な状況下では、経営者の迅速な判断が企業存続を左右します。外部資本に左右されず、トップダウンで大胆なピボットを決断できたことは、ソリッドベンチャーである同社の強みが発揮された例といえるでしょう。

イベントPRで築いた人的ネットワーク

起業当初のイベントPR事業では、さまざまな業種・業界のクライアントや関係者と接点を持ったはずです。コロナ禍でイベント自体は難しくなったものの、そこから人材の紹介や採用ニーズの発掘へとビジネスを転換できた要因として、幅広い人的ネットワークが大いに活用されたと考えられます。

このネットワークは、一朝一夕では得られない同社独自の資産となり、後の事業多角化に大きく貢献しました。

事業多角化のポイント

人材領域への集中と周辺事業への拡張

同社は、イベントPRから人材関連ビジネスへの軸足を移したあと、採用コンサルティング、転職支援、システム開発などを立ち上げています。これは、一見すると「広範囲に手を広げている」ようにも見えますが、実際には人材サービスという共通軸に統合されており、シナジー効果を狙う戦略です。

  • 採用コンサルティング:企業の採用戦略やブランディング支援
  • 転職支援(人材紹介):求職者のカウンセリングや企業マッチング
  • システム開発:採用管理ツール、オンライン面接システムなど

これらはいずれも人材領域に関連しており、クライアント企業との継続的な取引を生みやすく、複数のサービスを横断して利用してもらうことで売上の拡大を狙えます。

テクノロジー活用による差別化

人材市場では競合企業が多く、特に大手の人材紹介会社や転職サイトなどがシェアを握っています。しかし同社の場合、イベントPRで培ったマーケティング力と若いデジタル世代ならではのIT知見を組み合わせることで、システム開発やオンラインツールの提供に強みを持っている点がユニークです。

オンライン面接やシステム開発といったIT要素は、大手人材企業でも一部取り入れられていますが、元々テクノロジーを自社開発し、迅速にカスタマイズできる体制を持つベンチャーは限られています。こうした技術面での差別化が、多角化の成功要因として機能しているといえます。

ミギナナメウエ × ソリッドベンチャー

ミギナナメウエは、創業当初のイベントPR事業からコロナ禍を経て人材事業へとピボットし、自己資金ベースの拡大路線を貫くソリッドベンチャーの一例と言えます。

大学在学中の19歳で起業した古鍛冶賢氏のリーダーシップと、外部資金に依存しない経営方針が組み合わさり、短期間での多角化と急成長を成し遂げました。

ソリッドベンチャーとしてのポイント

  1. 独立性を維持する経営:外部からの大規模投資を受けずに、自己資金と事業収益を再投資して拡大。
  2. スピード感ある事業転換:コロナ禍の苦境を逆手に取り、人材分野へ参入し新たな収益源を確立。
  3. テクノロジーとマーケティングの融合:イベントPRの経験とオンライン人事の潮流を組み合わせ、差別化したサービスを展開。
  4. 若き経営者による柔軟な発想と実行力:20代前半での起業経験を活かし、アグレッシブに新しい仕組みを取り入れる社風を醸成。

ソリッドベンチャーとしての強みである経営判断の自由度長期的視野は、ミギナナメウエがさらなる挑戦を行う上で大きなアドバンテージになると考えられます。