株式会社Union

事業内容

Webマーケティング事業、メタバース事業、アクティビティ事業など

代表取締役

堺 健太

2006年 個人でアフィリエイトを開始。2009年 株式会社salangaを友人と創業。2012年 株式会社salangaを退社/株式会社Unionを創業。

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2024.11.22

「ソリッドベンチャーとしてのUnion」著者の視点

ソリッドベンチャーとは、主として自己資金や事業収益を活用しながら継続的な成長を実現し、外部投資家への依存度を低く抑える経営スタイルを指します。

VC(ベンチャーキャピタル)などから大型の資金調達を行うベンチャー企業とは異なり、堅実なキャッシュフローの確保と独立性の維持を両立させ、長期的な視点で事業拡大を目指す特徴があります。

本稿では、Unionが掲げるビジョンや創業期からの軌跡、新規事業への挑戦、そして「ソリッドベンチャー」として成長を続けるために直面する課題を、多角的に考察していきます。

とりわけ、Webマーケティング事業で築き上げた収益基盤をもとにメタバースやアクティビティ事業といった新領域へ果敢に挑戦している点、そして外部資金をあまり頼らずに事業拡大を進めている点は、まさにソリッドベンチャー的な事例と言えるでしょう。

株式会社Unionとは

株式会社Union は、2012年に設立された企業であり、代表取締役を務める 堺 健太 氏のリーダーシップのもと、主に下記のような事業を展開しています。

  1. Webマーケティング事業
    • SEOコンサルティング
    • アフィリエイト広告運用
    • Webサイト解析やアクセス数の増大施策
  2. メタバース事業
    • バーチャル空間の企画・制作
    • メタバース上でのイベントや体験の開発・運営
  3. アクティビティ事業
    • キャンプ場やグランピング施設の運営
    • 自然やアウトドア体験を提供する新しいレジャーサービスの開発

設立時点でのコアビジネスはWebマーケティングでしたが、現在では「ワクワクした未来を創造する」というビジョンを掲げ、デジタル・リアル双方の世界観を融合した事業展開に挑戦していることが大きな特徴となっています。

創業期の背景:個人アフィリエイターからの事業拡大

創業者のバックグラウンド

  • 堺 健太 氏
    2006年頃から個人でアフィリエイトを始め、2009年に友人とともに株式会社salangaを立ち上げる。Webマーケティング領域に強みを持ち、SEOや広告運用の知識を蓄積したうえで、2012年に新たに株式会社Union を創業した。

堺氏は個人でアフィリエイトに取り組んだ経験を通じて、Webマーケティング領域における“収益を生む仕組み”を直に体感してきました。アフィリエイトサイトで成果を出すためには、SEO施策や広告設計だけでなく、ユーザーが求める情報の分析やコンテンツ品質の向上にも継続的に取り組む必要があります。

こうした経験が、Unionのマーケティング事業の根幹となる「デジタルで集客・収益を伸ばす」ノウハウを支える重要な要素となっています。

創業当初の事業モデル

  • Webマーケティング事業
    設立当初のUnionは、主として他社サイトのSEOコンサルティングやアフィリエイト広告の運用支援を請け負う事業形態でした。比較的少人数の組織ながら、SEOとアフィリエイトの両面で堅実な成果を出すことで徐々に評判を高め、クライアント数を増やしていきました。

この初期フェーズにおける成功の鍵は、堺氏が培ってきた実務経験と、新規クライアントの獲得に積極的に挑戦する営業力との掛け合わせにあったと言えます。

創業期から大規模な外部資金を導入して急拡大を狙うのではなく、自己資金と事業収益を蓄えながら次のステップを目指す、いわゆるソリッドベンチャーの体制を整えた点がUnionの特徴です。

ソリッドベンチャーとしての歩み:自己資金での拡大

外部資金に依存しない経営スタイル

「ソリッドベンチャー」とは、VCからの大型出資に頼らず、自らの事業収益を再投資 しながら成長を実現する企業を指します。

Unionは公表されている情報の範囲内では外部からエクイティファイナンスを受けた形跡はなく、自己資金や事業利益を原資に事業拡大している可能性が高いと推測されます。

外部資金にあまり依存しないことで得られるメリットは以下の通りです。

  1. 経営の独立性維持
    投資家への配慮や短期的なリターン圧力が少ないため、自由な意思決定や長期的視点の投資が可能。
  2. 企業文化の一貫性
    創業者のビジョンを社内に浸透させやすく、経営方針にぶれが生じにくい。
  3. 収益構造の安定化
    自己資本をコツコツと積み上げることで、リスクを抑えながら事業拡大を進められる。

このように、Unionはウェブマーケティングという比較的キャッシュフローの回りやすい分野で着実に利益を確保し、それを元手として新たな事業開発に投資するモデルを築いてきました。

成長戦略:段階的な投資と多角化

大規模な資金調達を伴わずとも、Webマーケティング事業が順調に拡大すれば、一定のキャッシュを生み出すことが可能になります。

そのキャッシュを活用して、新規事業—例えばメタバースやアクティビティ領域—への参入を着実に行っていく。これこそがUnion流の多角化戦略です。

ウェブ広告やアフィリエイト分野は、適切にノウハウを蓄積すれば継続的に売上を生み出しやすいビジネスモデルです。一方、競合も多く、市場動向の変化が速いため、基盤事業で獲得した利益を新しい領域に振り向ける俊敏性 も求められます。

Unionは、このバランス感覚を活かしながら徐々に事業ポートフォリオを広げている点が注目に値します。

事業多角化:メタバースとアクティビティ領域への挑戦

メタバース事業:デジタル空間の新たな可能性

Unionは、Webマーケティングで培ったデジタル技術や運営ノウハウを活かし、メタバース事業 に積極的に乗り出しています。

メタバースは、バーチャル空間上に作り上げる新しい社会・コミュニティであり、その可能性はゲームやエンターテインメントのみならず、ビジネスや教育分野にも及びます。

  • バーチャル空間の企画・制作
    Unionは、バーチャルイベントやオンライン展示会など、メタバースならではの体験を企業やユーザーに提供している模様です。デジタル空間の設計から運営支援まで一貫して行うことで、新しい顧客体験を創出しています。
  • イベント企画・運営
    リアルでは実現しにくい、大規模な集客や遠隔からの参加が容易になるバーチャルイベントは、コロナ禍以降さらに注目を集めています。Webマーケティングで培った集客力や運営ノウハウがメタバースでも活かされることで、Unionならではの強みが発揮されています。

アクティビティ事業:リアル体験への投資

一方で、デジタル領域とは対照的なアクティビティ事業にも参入しています。例えば、

  • キャンプ場運営
  • グランピング事業

といったアウトドア系のレジャーサービスに投資を行い、利用者に特別な体験を提供しています。近年は、コロナ禍で「ソロキャンプ」「グランピング」が注目され、屋外でのレクリエーション需要が高まってきました。

Webマーケティングでの集客ノウハウを活かし、アウトドア分野でもユーザーを獲得することが期待できます。

これらの事業は一見すると、デジタル主体のメタバース事業とは対照的ですが、共通点として「人々がワクワクする体験をつくる」というビジョンがあると考えられます。

また、Web集客の知見をリアルのサービスに応用しやすい点は、Unionにとって強みとなるでしょう。

市場・地域

Webマーケティングとメタバース市場

  • Webマーケティング市場
    インターネット広告費は右肩上がりで成長を続けており、SEOやアフィリエイト、リスティング広告などの需要は今後も底堅いと見られています。一方で、アルゴリズムの変化や広告媒体の競争激化が続いており、常に新しい施策の開発と検証が求められます。
  • メタバース市場
    Facebook(現Meta)の参入や、NFT(非代替性トークン)の活用などによって世界的に注目を浴びています。しかしながら、技術の急速な進化やプラットフォームの乱立もあり、成功を収めるには斬新なアイデアやユーザーコミュニティの形成が欠かせません。

アクティビティ市場

  • キャンプ・グランピング市場
    日本国内ではアウトドア人気が拡大し続けており、特にグランピングは施設の高付加価値化やSNS拡散なども相まって市場が成長傾向にあります。集客においてはインターネットとSNSが重要な役割を果たすため、Webマーケティングに強みを持つUnionとのシナジーが期待できる分野です。

5-3.地域

本社は東京都渋谷区に置かれており、オンラインサービスが中心ということもあって、全国規模でビジネスを展開しやすい環境にあります。アクティビティ事業においては、地域や観光地との連携がカギとなるため、地方自治体や地元企業との連携強化が今後の課題となる可能性があります。

失敗事例・課題:ソリッドベンチャーとしての挑戦

新規事業のリスクと学び

メタバースやアクティビティ領域への参入は、決して安定した市場とは言えません。特にメタバースは、ユーザーの体験価値やプラットフォーム選択など未確定要素が多い市場であり、投資に対するリターンが不確実になりがちです。

一方、キャンプ場運営などリアル体験に紐づく事業は初期投資と運営コストがそれなりにかかるため、単なるデジタルサービスに比べるとリスクが大きい側面もあるでしょう。

こうした新規事業での失敗リスクを最小限に抑えるには、段階的な投資実証実験 が重要です。Unionの場合、基幹事業のWebマーケティングで安定収益を確保しながら、メタバースやアクティビティ事業へリソースを振り分けるという「ソリッドベンチャー的」手法を取っていると考えられます。

多様な事業のシナジーと組織体制

事業が多角化すると、異なるビジネスモデルや専門性を有する組織が同居することになります。たとえばメタバース開発チームと、アクティビティ事業の現場運営チーム、さらにはWebマーケティング事業の広告運用チームでは求められるスキルやマインドセットが大きく異なります。

  • シナジー創出
    Webマーケティングの知見がメタバース事業やアクティビティ事業の集客に役立つ、またはリアルなレジャー体験をデジタルで発信し、新しい顧客層を取り込むなどのシナジーが期待できます。
  • マネジメントの難易度
    それぞれの事業が違う方向を目指してしまうと、統一感が失われ、組織が混乱する恐れがあります。全社的なビジョン「ワクワクした未来を創造する」を共有しながらも、個別事業の目標や戦略を最適化するマネジメントが重要になるでしょう。

ソリッドベンチャーとしてのUnion

ビジョンと経営理念の浸透

Unionは、「ワクワクした未来を創造する」というビジョンを掲げています。Webマーケティングから始まり、メタバースでの新しいデジタル体験や、アウトドアアクティビティのようなリアルな体験にまで手を広げることで、ユーザーのライフスタイルをより豊かにするサービスを多数生み出せる可能性があります。

この多角化路線をブレずに貫くためには、経営理念を組織内部と外部の双方に強く訴求し、共感を得ることが必要です。

持続的成長を支える組織・人材戦略

ソリッドベンチャーにとって、人材の確保と育成は極めて重要です。とりわけUnionのように事業領域がデジタルからリアルへと跨る場合、多様なバックグラウンドの人材が必要となります。たとえば、

  • ITエンジニア・デザイナー:メタバースやWebサービスの開発
  • マーケター・広告運用担当:集客やブランディング
  • 現場運営スタッフ:キャンプ場やグランピング施設などリアルなサービスの提供

各分野で優秀な人材を引きつけ、社内に定着させる仕組みを構築することが、長期的な成長基盤になります。

社会や産業へのインパクト

Unionが取り組むメタバース事業は、まだ黎明期にある市場を切り開くものです。アクティビティ事業では、地方創生や地域観光の振興に貢献し得るポテンシャルを秘めています。

これらの取り組みは、単に自社の収益拡大にとどまらず、社会や産業を変革し、人々の生活を豊かにする可能性を持ち合わせています。

ソリッドベンチャーとして、外部投資家からの圧力に左右されずに、長期ビジョンに根ざした事業開発ができる点は、社会的意義の高いプロジェクトをじっくり育てるうえで大きな強みとなるでしょう。

Unionに見るソリッドベンチャーの醍醐味

最後に、株式会社Unionを「ソリッドベンチャー事例」という視点で整理すると、以下のポイントが浮かび上がります。

  1. 堅実な基盤事業(Webマーケティング)を礎に、収益を確保
    • SEO・アフィリエイトなどで培ったノウハウは比較的早期にキャッシュを生みやすく、自己資本を積み上げやすい。
  2. 外部資金に頼らず、自社のキャッシュフローで新規事業を開拓
    • メタバースやアクティビティといった新分野への投資を、大規模資金調達なしに進めることで独立性を維持。
  3. ビジョン「ワクワクした未来を創造する」に基づいた多角化
    • デジタルとリアルの両面で新しい体験価値を提供。統一された方向性があるため、顧客や社員からの共感を得やすい。
  4. 失敗への柔軟な対応と、シナジー創出の可能性
    • 新規事業ではリスクが伴うが、段階的な投資と既存事業のリソース活用で失敗リスクを抑える。多様な事業間でシナジーを生み出す体制づくりが鍵。
  5. 長期的視点と社会的インパクト
    • ソリッドベンチャーだからこそ、外的プレッシャーに過度に流されず、社会にとって有益なプロジェクトを育成できる。

インターネット業界は日々進化が激しく、さらにメタバースやグランピングといった新興分野への参入には多くのリスクが伴います。

しかし、Unionは初期のWebマーケティングによる堅調な収益基盤を背景に、外部投資家の意向に左右されることなく独自の経営判断を下しつつ、多角化を成し遂げています。その姿はまさに「ソリッドベンチャー」の典型例と言えるでしょう。

今後、メタバース市場やアウトドア市場の成長が続けば、Unionはさらに事業規模を拡大できる可能性があります。同時に、予想外の技術変化やトレンドの変遷に対しても、柔軟かつ迅速な対応が求められるでしょう。

堅実な経営基盤と大胆なイノベーション精神を両立させるUnionの動向は、ソリッドベンチャーのあり方を考えるうえで、今後も注目に値する存在となりそうです。