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「ジワ新規」のススメ。収益性を維持しながら挑戦する新規事業
公開日:2024.11.18
更新日:2025.1.7
筆者:エンジェルラウンド株式会社 大越匠

ハイライト
- 既存リソースを活用し、段階的に新規事業を展開するリスク軽減型アプローチ
- 顧客基盤を活かしながら無理のない成長を目指す手法
- 収益性と安定性を両立し、長期的な成長を実現
「ジワ新規」とは?その特徴と価値
「ジワ新規」は、既存事業を基盤としながら徐々に新しい事業を展開するアプローチです。急激な成長を狙うのではなく、持続可能な収益モデルを築きつつ、少しずつ市場に浸透していくのが特徴です。この手法は、特に安定志向の企業やソリッドベンチャーにとって理想的です。
ナハト社はインフルエンサーマーケティングを主軸に展開してきた企業です。既存のSNS広告代理事業の顧客基盤を活用し、インフルエンサー事業を次々と立ち上げて拡大しました。これにより、既存の信頼関係を維持しつつ、新たな収益源を安定的に確保しました。
ジワ新規のもう一つの魅力は、短期間で多額の投資を必要とせず、持続可能な形で成長を実現できる点です。この方法はリスクを抑えながら収益性を追求し、企業が次のステップに進むための安全な道を提供します。
既存リソースを最大限活用する新規事業の進め方
ジワ新規では、既存リソースを活用することが成否を分ける重要なポイントとなります。既存顧客基盤や既存事業の運営ノウハウを最大限に活かしながら、新たな事業を展開する方法が鍵となります。
ギークリー社はその好例です。ITやWeb、ゲーム業界に特化した人材紹介事業を基盤とし、そこから派生したメディア事業や口コミサイト運営を次々と立ち上げました。既存事業の顧客から得たフィードバックを新規事業に反映することで、顧客ニーズを的確に捉えたサービスを提供し続けています。
具体的な戦略としては以下が挙げられます:
少人数の専任チームによる開発
リスクを最小限に抑えるために、専任チームを編成し段階的に事業を進めることも有効です。
小規模プロジェクトでの検証
新規事業をいきなり大規模に展開するのではなく、小規模プロジェクトとしてスタートし、結果を分析しながら段階的に拡大していく方法です。
既存製品の改良を基盤とした展開
既存製品に顧客の意見を反映し改良することで、既存顧客への販売を強化し、新たな市場にアプローチする基盤を整えます。
安定性を保ちながら成長を目指す
ジワ新規は、収益を確保しながら成長を図るため、特に不確実な時代において重要な戦略です。急成長を求めるスタートアップとは異なり、ソリッドベンチャーでは事業基盤を活かした堅実な成長を目指します。
例えば、レバレジーズ社はSES(システムエンジニアリングサービス)を基盤に、医療や介護、若手キャリア支援事業へと展開を進めました。既存事業の収益を活用しながら、リスクを抑えて新規事業を立ち上げることで、持続可能な収益モデルを確立しています。
ジワ新規が成功するためのポイント:
持続可能性を重視する
短期的な利益よりも、長期的な成長を見据えた戦略を立てる。
既存顧客を基盤とする
既存顧客との信頼関係を活用することで、新規事業へのスムーズな移行を実現。
少額投資でリスクを軽減する
大規模投資を避け、徐々に市場に浸透していくアプローチを採用。
ジワ新規が企業の未来を切り開く
ジワ新規は、ソリッドベンチャーにとって持続可能な収益モデルを構築し、企業の強みを活かしながら無理なく成長を進めるための理想的な戦略です。既存事業を基盤とし、新しい市場や顧客セグメントにじわじわと展開することで、外部環境に左右されない堅実な成長を遂げることが可能です。
安定性を保ちながら、リスクを抑えた挑戦を続けることで、ソリッドベンチャーは持続的な成長を実現し、新たな成功の道を切り開いていきます。企業の強みを活かした「ジワ新規」は、これからの成長を支えるカギとなるのです。